11月の法語その2
我必ず聖に非ず
彼必ず愚に非ず
共にこれ凡夫なり
これは聖徳太子の言葉です。聖徳太子は仏教を日本に広め、仏教の精神で国を治めようとされました。
そして十七条憲法を制定されたわけですが、その中の言葉です。
人は誰かと意見が対立してしまったとき。自分の意見は正しい、相手は愚かだとつい思いがちです。
そうではないのだ。私が絶対に正しいわけではない、相手が絶対に愚かで間違っているわけではない。
お互いに同じ凡夫なのだとして議論しなさい。
と聖徳太子はいうのです。
昨今はネットの普及もあり至る所で議論や論争を見かけるようになりました。
ですが、その多くは相手を愚かと決めつけ、自分こそが正しいとする姿勢でしているような気がします。
「人皆心有り。心おのおの執れること有り」と太子はいいます。
相手にも自分にも心があり、心があれば当然それぞれにこだわりがある。それが凡夫です。
自分も相手も同じ凡夫なのだという心構えをもって健全な議論をしたいものです。